月刊 高倉

わんぱくプロヂューサーの快適創造奮闘記

2021.07.09

『月刊高倉』2021年7月号

2021年も後半に入りました。

世の中の様変わりは留まることがありません。

「変わること」だけが「変わらないこと」さ、と格好をつけたくなりますが、真面目な話、お客様のお困りごとを伺うたび、時代の変化の波のいまだかつてない高さを痛感します。

 

 

いまどの業界にも起こっているといっても過言ではないのが「聖域なきコストダウン」。

各企業があらゆるコストを見直そうとしていますが。それは特例を出さないコストダウンです。

その結果、お客様には「価格以外の判断基準がない」というお困りごとが生じます。

どの業者も価格だけをアピールしてきて、内容の確かめようがないのです。

 

 

つまり、何がよく、何が悪いかがわからない。

問題を起こさないようにやろうとすると、不安しかない。

いままでのやりかたはもう通用しない。

時代が変わりすぎていて先が読めない。

ないない尽くしになってしまい、途方に暮れるしかない。

 

 

快適創造企業レガーロのお客様は、全国展開をしている飲食業や小売業の店舗開発担当者ですから、取引先は看板業だけに限らず、建築に関わる各業者になります。

この業界で、見積もりを取るときによくあるバターンは…

 

発注側が「こんな感じで」というイメージ図を見せるのみ、細かいところまで指定していないために、ノウハウの部分が業者任せになってしまう。

 

業者側は、どういう材料でどういう付けかたをしているかまで見積もりに載せると、ライバルにわかってしまうから書かない。

 

イメージ図に対する価格しか出てこないから、高い安いだけで判断しなければならない。

 

さらには失敗できないから、既存業者で判断するしかない。

 

 

快適創造企業レガーロは、このようなお客様のお困りごとを解決するために、見積もりの内容を見える化し、入札が適正に行う仕組み「入札ラクスル」を創りました。

入札をラクにする、入札でラクをする、「入札ラクスル」です。

 

 

「入札ラクスル」では、お客様のためにまず図面を作成します。

製作図と施工図の二つを作り、これらの図面の通りやったらいくらになりますか、と業者に問います。

使用頻度、使用環境に基づいて、安全面を最大限に担保して見積もってもらうための図面です。

 

 

そしてお客様の見積もりの項目出しをお手伝いし、フォーマットを作ります。

各業者には、「入札ラクスル」の見積もりフォーマットに従い、項目ごとの金額を記入してもらいます。

既存の見積もりは、項目立ても金額の設定も曖昧で大雑把でした。

ただ安くするために現実味のない数字を並べたり、逆に儲けを大きくしようとしたり。

見積もりとはそんなもの、の時代が長かったのです。

 

 

「入札ラクスル」の図面とフォーマットでできあがった相見積もりは、透明度の高いものです。

材料にはなにをどれだけ使うのか、どのように使うのか、安全面はどうクリアしているか、経費の内訳はどうなっているのか、すべてが誰の目にも明らかに見えます。

これこそが「相見積もり」というもの。

参加する各業者をフェアな入札に導きます。

お客様には、的確な判断基準をもたらし、最適な業者を選択することを容易にします。

 

 

私が「入札ラクスル」で創った仕組みは、CM(コンストラクション・マネジメント)方式に則っています。

CM方式とは、建築に関連したプロジェクトにおいて、発注者の立場から一貫してプロジェクトを運営する方式です。

この方式を遂行するコンストラクション・マネジャーは中立性を保たなければなりません。

 

 

「入札ラクスル」においては、快適創造企業レガーロがコンストラクション・マネジャーを務めるわけですが、私たち自身がお客様の入札に参加する場合も多々あります。

ライバルと競合する現場で、公平な入札を運営する役割を自ら担うとは、中立性を保つにもほどがあるといいますか、ストイックすぎるといいますか。

 

 

お客様にも「それで負けることはないの」と聞かれます。

実際、負けることもあります。

それでも、勝率は高く、自社の競争力に自信を持っているのです。

図面作成も、本来快適創造企業レガーロのノウハウですが、お客様のために無料で作ることが多く、「入札ラクスル」ではライバルにも見せます。

それが私たちのやりかたですし、勝ち負けの前に貫くべきものです。

 

 

勝ち負けとは損得を勘定する価値観。

快適創造企業レガーロは善悪で動く価値観を持っています。

お客様にとって善なのであれば、ときに自分たちが得を取れなかったとしても本望。

「入札ラクスル」によって、お客様が透明性の高い公平な相見積もりを取り、最適な業者を選定してくださることがなによりなのです。

 

 

そして業者の立場で同業者に向かっていわせてもらえば、「入札ラクスル」で正当な競争をどんどんしていきましょう、ということです。

同じお客様を持つ快適創造企業レガーロは、無料で図面を作成し、項目立てのお手伝いをした上で、自らも入札に参加しています。

どうぞ正々堂々戦いを挑んできてください。

 

 

お客様のお困りごとには、新しい快適の創造で応えるレガーロ。

「入札ラクスル」という快適がまた一つ加わりました。