『月刊高倉』2025年6月号
「店舗ドック」ではご採用いただく前に毎月業務分析の定例会を開いています
サステナブルサインのレガーロが「店舗の健康寿命を延ばす」ことを主軸に据えて「店舗ドック」をリリースしてから半年が経とうとしています。
おかげさまで多くのお客様にご興味を示していただき、お声かけやお問い合わせも月を追うごとに増えてきました。
現時点では三社のお客様と、毎月1回、業務分析のための定例会を開いています。
この会は実際にご採用いただくかどうかによらず、お客様がいま抱えておられるお困りごとを詳しくお聞きし、解決の糸口を見出すためのものです。
毎月お会いしてお話しするなかで、相互の理解を深め、信用信頼を構築できていることを感じます。
お客様は、現状なにを困っていらっしゃるのか。
本来やらなければいけないことに手をつけられてない状況にあるのではないか。
ストレスの原因となっているものはなにか。
お客様がまだ気づいていない部分、見えていなかったところはどこか。
どういった形でなにをやっていけばお困りごとは解決するのか。
すべて、私たちサステナブルサインのレガーロとお客様との定例会でのお話のなかから見えてきます。
お客様と私たちとの関係は依頼主と施工者となったり、購買者と提供者となったりするものです。
しかし私たちサステナブルサインのレガーロは、買っていただけるか、発注していただけるか、に最初からフォーカスすることはしません。
定例会でのお話も仕事上の会話に留めず、プロフェッショナルとプロフェッショナルの対話へと深めていくことを意図しています。
といっても、お客様にはリラックスして臨んでいただきたいとも思います。
聞き手のある場でアウトプットすると自分の考えていることの輪郭がはっきりしてくるものです。
私たちに、テニスの壁打ちのようにお困りごとのボールを打ち込んでみてください。
散発しているように見えていたいくつかのお困りごとが、同じ根から起こってきていることがわかったり、お困りごとの手前に課題があることに気づかれたり、お困りごとの仕分
けが進んだりと、定例会のたびごとに発見と解決への展望を得ていただけることと思います。
国や地方自治体から求められる店舗内の法令点検を数えてみると、20から30に上ります。
全国で500店舗展開されているお客様なら、20から30に掛けること500、1,000店舗展開さ
れているお客様なら掛けること1,000の法令点検を実施しなければならないということです。
また、それぞれの点検時期はバラバラ。
いつどの検査をするのかのチェックも掛けること500、掛けること1,000の手間となります。
私がお客様の立場なら1年もしないうちに音を上げてしまうことでしょう。
その思いをもって私たちサステナブルサインのレガーロは「店舗ドック」のサービスを構築しました。
「店舗ドック」は、「そろそろこの法令点検のお時間ですよ」というアラームを届けたり、「昨年はこういう不備がありましたから詳しく点検しましょう」とご提案したり、「各
店舗に連絡しましょう」とお知らせしたりする、優秀な執事ロボットのようなシステムです。
お客様の頭のなかではおそらく「あれをしなければ」「これをしなければ」の声がひっきりなしに響いていることでしょう。
「あれ」や「これ」とはっきりしていればまだ楽で、業務が重なってくるとそれが何かが意識できないほどに「しなければ」の焦燥感が募ります。
そんな過重なストレスを「店舗ドック」にそっくり任せていただければと思います。
ある店舗でのお話ですが、頻繁に問題が起きるトイレがありました。
何度修理しても、また同じトラブルに見舞われてしまいます。
私どもで点検調査したところ、根本的な原因がわかりました。
流すときの水量が足らなかったのです。
いまのトイレは節水型なのでおしなべて水量は少ないのですが、この店舗の場合はそれでは少なすぎたというわけです。
このトイレのようになにかトラブルが起きてから修理をすることを「事後保全」といいます。
修理をしても根本的な原因が究明できなかったために「事後保全」を繰り返すことになってしまいました。
トラブルが起きる前にメインテナンスをして予防することを「予防保全」といいます。
これは「事後保全」より進んだありかたですが、タイミングを計ることまではできていません。
リモコンの電池が切れると困るからといってまだ電池の残量があるうちに替えてしまう人はいませんが、店舗の「予防保全」ではそれに似たことが起こる可能性があります。
「店舗ドック」は「事後保全」ではなく「予防保全」でもなく「予兆保全」です。
私はさらにわかりやすく「予報保全」という言葉を遣っています。
天気予報を見て折り畳み傘をカバンに入れるのと、毎日折り畳み傘を持ち歩くのでは前者のほうが負担が少ないはずです。
「店舗ドック」では該当する各所を詳しく点検することによって保全が必要になるタイミングを見極め、適切なメインテナンスを実施することができます。
結果にフォーカスをして処理をするのが「事後保全」なら、原因にフォーカスしてトラブルの元を断つのが「予報保全」の「店舗ドック」です。
「店舗ドック」にメインテナンスのすべてを任せていただくことで、お客様は安心して本来やらなければいけないお仕事に没頭できることでしょう。
現在お客様と行っている定例会では「店舗ドック」をよりよく拡充するために、お客様の生の声をたくさん集めたいと考えています。
「かゆいところに手が届く」といいますが、どこがかゆいのかはお客様ご自身にお聞きしなければわかりません。
最初のうちは遠慮されているのか、はっきり答えてくださらなかったお客様も、毎月お会いしているうちに距離を縮めてくださって「髙倉さん、聞いてよ」と話しだされるようになりました。
信頼していただけた証拠だとうれしさを感じる瞬間です。
サステナブルサインのレガーロとの業務分析の定例会を希望されるお客様は、どうぞお気軽にお声かけください。
月に一度、お会いできることを楽しみにしております。