月刊 高倉

わんぱくプロヂューサーの快適創造奮闘記

2025.04.04

『月刊高倉』2025年4月号

判断基準をカルテで見える化してご報告する「店舗ドック」

2025年4月が始まりました。
サステナブルサインのレガーロはおかげさまで第27期の半分を絶好調に経過することができました。
残りの半期もお客様方からのご信頼とご愛顧を頼りに頑張ってまいります。
なにとぞよろしくお願いいたします。

「店舗ドック」の準備も着々と進んでいます。
現在、サンプルデータを集める実験段階にありますが、多数の会社様にご協力をいただき、誠に感謝しております。
ありがとうございます。

当然のことながら、サンプルデータは多ければ多いほど、「店舗ドック」の診断の精度と
確度が上がっていきます。
引き続きよろしくお願いいたします。
これからご協力いただける会社様も絶賛募集中です。
サステナブルサインのレガーロまでお気軽にお声掛けくだされば幸いです。

「店舗ドック」の原点は「看板ドック」です。
「看板ドック」が手本としたのが「人間ドック」。
一般的な健康診断より詳細に調べて、不調な箇所を明らかにする「人間ドック」のように、看板を徹底的に点検して安全度を確かめようというコンセプトです。

「人間ドック」に入ると、検査結果が届くまで、しばらくやきもきしますね。
去年まずかったあそこは今年は大丈夫だっただろうか、気づかないうちにどこか悪くなっていなかっただろうか。
よくない想像やいろいろな可能性が頭をよぎります。

私たちは医療の素人ですが、検査結果に一喜一憂できるのは、数値による判断基準が示されているからです。
数値を見れば自分で自分の体の状態を知ることができます。

たとえば血圧の上が200mmHgだったとしましょう。
正常値は130/90mmHg以下であるという基準に照らせば、200mmHgは明らかに高血圧です。
なんらかの治療を始めなくてはならないでしょう。

私たちが正常値を知らなければ、または検査結果のカルテに正常値の範囲が記されていなければ、いくらデータが並べられてもなにもわからないわけです。
血圧の上が200mmHgなのに、正常値を知らなかったら、それまで通りの生活習慣を続けて倒れてしまいかねません。

ですから私たちは数値をとても気にします。
「人間ドック」の医師や検査技師のことを信頼するかしないかに関わらず、私たちはデータを信じます。
計測器はまず嘘をつかないし、数値は事実だからです。

「看板ドック」と「店舗ドック」も、データの信頼性によって立つところが「人間ドック」と同じです。
極論すれば、お客様にはサステナブルサインのレガーロを信じていただかなくてもよいのです。

もちろん、私たちはお客様との信頼関係をなにより大切にしていますから、これはほんとうに極論ですが。
お客様には検査によって得られるデータと解析による評価さえ信じていただければ、「店舗ドック」はその役割を果たすことができます。

その際に必要不可欠なのは、さきほどの血圧の例で見たように、判断基準です。
「看板ドック」を開発するときには、産学協同で独自の安全基準を策定しました。
建築法での安全基準を看板専用にカスタマイズして作ったものです。
「店舗ドック」では、サンプルデータに加え、さまざまな設備や素材の安全基準を考慮しながら、「店舗ドック」オリジナルの安全基準を作成中です。

人間の命にあたるものを店舗でたとえるならば、営業できているかどうかでしょう。
命に関わる不調となり得る箇所は、屋根、配管、電気設備です。
営業に影響を及ぼすという観点から見た優先順位も、①屋根、②配管、③電気設備の順番です。
これらを「店舗ドック」の三大疾病として、それぞれの検査方法をいま洗い出しているところです。

これも「人間ドック」にたとえると、血圧は血圧計で計測し、肺はレントゲンを撮り、心臓は心電図、消化器は内視鏡、脳はCTスキャンやMRIで調べます。
店舗の三大疾病にもそれぞれに最適な検査方法があり、検査結果の解析の際も個々に見合った方法があります。

箇所ごとに最適化された検査方法で得られたデータを、独自の方法で解析、「店舗ドック」のために策定したオリジナルの安全基準に照らし、現況をステージ1からステージ4の段階のいずれにあるかを判断して、カルテとしてご報告するというのが「店舗ドック」の全容です。