『月刊高倉』2025年3月号
「店舗ドック」が目指すものと天気予報との関係
サステナブルサインのレガーロが2025年春にリリースする「店舗ドック」について、
企画段階からお客様方にお伝えしたいことが私の頭の中にはぎゅうぎゅうに詰まっているのですが、言葉にしなければ伝わりません。
自分にとっては何十回となく繰り返した言葉でもお客様には初めて聞く言葉ですから、はやる心を鎮めて、一つずつじっくりと、またわかりやすくお伝えすることも大切です。
今回は、お客様も日常的に触れていらっしゃるであろうあるものと「店舗ドック」とを結びつけてご説明したいと思います。
あるものとは、私がベンチマーキングしているものでもあって、それは「天気予報」です。
こどもの頃に天気が気になるタイミングといえば、遠足や運動会でした。
てるてる坊主を作って軒下にぶらさげてみたり、ブランコから「明日天気になあれ」と靴を放って遠くまで飛ばしてしまったり。
昭和のこどもらしいのどかな風景です。
テレビのニュースの最後には天気予報がありました。
祖父は当時畑をやっていたので、天気のことをつねに気にかけていました。
私たち兄弟が居間で騒がしくしていると祖父がふいに「黙れ」というのですが、それはきまってテレビで天気予報が始まるときでした。
時代は昭和から平成、令和へと移り変わり、いまや私たちはいつでも手元のスマートフォンで天気予報を見ることができます。
地域と時間帯に従った予報の精度も上がり、分単位で天気の変化を知ることも可能になりました。
ゴルフのプレイ中に雨が降ってくると、おのおのスマートフォンを取り出し、天気予報を見て、「あと20分で止むみたいだね、待ってみよう」あるいは「これから雨足が強くなるらしいからきょうはもう上がろうか」などと話し合います。
昭和のテレビの天気予報は、太平洋側と日本海側にざっくり分けて予測したり、せいぜいが都道府県別の予報でした。
いま生きていたら105歳の祖父に、スマートフォンの天気予報を見せてやりたい気持ちです。
そんな天気予報サービスを提供する会社の一つが株式会社ウェザーニューズです。
年間売上高210億円以上という大企業ですが、1986年の創業当時にミッションとして掲げたのは「海難事故をゼロにする」というものだったそうです。
海が荒れて死亡事故が起こることのないように、精度の高い天気予報を伝えることをミッションとしたわけですね。
サステナブルサインのレガーロのミッションと似ていると思いました。
サステナブルサインのレガーロの志は「看板業界を安全第一の業界にする」というもので、大義名分は「看板で苦しむ人や悲しむ人をゼロにする」でした。
「看板ドック」の発想はそれらを抱く私たちに降りてきたのです。
大義名分はいいかえれば使命、ミッションとなります。
「看板ドック」が発売以来おかげさまで順調に伸び、サステナブルサインのレガーロを新しいステージへと押し上げてくれました。
「看板で苦しむ人や悲しむ人をゼロにする」というミッションも、おのずと拡大し新しいものへと変化してきました。
それが「店舗の健康寿命を延ばす」です。
「看板ドック」を採用してくださっているお客様方の「つぎは店舗全体を頼むよ」というご信頼とご期待に大きく支えられ、新しいミッションと「店舗ドック」が生まれたのです。
「店舗ドック」がお客様方にご理解いただけるスピードは「看板ドック」の発売時の10倍速の実感があります。
「『看板ドック』でやってくれたアレを店舗全体でやってくれるわけだね」
お客様から聞くのにこんなうれしい言葉はありません。
心から感謝しております。
メインテナンスには「事後保全」と「予防保全」と「予兆保全」があるというお話は前にもさせていただきました。
壊れてから直す「事後保全」、壊れる前に直す「予防保全」、壊れる直前を予測して直す「予兆保全」。
「店舗ドック」は「予兆保全」です。
天気予報にたとえるならば「事後保全」はてるてる坊主です。
「どうか壊れませんように、事故が起きませんように」とお祈りして、壊れたり事故が起きたりしてあわてて対処します。
「予防保全」は「いつ雨が降るかわからないけれど鞄には入れておこう」という折り畳み傘のようなもの。
たしかに雨が降ったときには困りませんが、毎日折りたたみ傘を持って歩くのは億劫ですね。
「予兆保全」は最新の天気予報サービスを利用してジャストオンタイムに備えるようなメインテナンスです。
「店舗ドック」では「予兆保全」を「予報保全」といいかえようと思っています。
天気予報は見る人によって欲しい情報が異なります。
この雨がいつ上がるのか知りたいゴルファーがいれば、雨が降り出す時間にタイミングよくビニール傘を店頭に出したいコンビニエンスストアの店長もいるでしょう。
「店舗ドック」の「予報保全」もお客様の業種業態によって求められる内容が異なります。
天気予報に負けずに精度を上げて、お客様それぞれのニーズにお応えします。
そのためにはとにかくいまできることをコツコツやるしかありません。
一足飛びにはできないからこそ努力の甲斐があるというものです。
データが最重要のファクターであることも「店舗ドック」と天気予報は同じです。
データの収集はお客様頼みですので、どうかご協力くださいますようお願いいたします。
「店舗ドック」サービスのリリースに向けてサステナブルサインのレガーロ一丸となって粛々とコツコツと頑張っていきます。